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随筆

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そうと決まると志保は
「あなた、会長さんの最後の同窓会だし、それに今度は、中旬の土曜日だから是非行かせてくださいね」と祐介に頼んだ。
「ああ、どうぞ、私もそのつもりだよ」と祐介は快く二の返事で承諾した。
いつもは店に縛られて出る暇のない彼女に、たまには土曜日の外出を許してやりたいと思っていた矢先でもありそれに、今度は珍しく自分から出かけたいと言い出したので、1人欠けると店は忙しいが、なんとか彼女の希望を叶えてやりたいと思って快諾したのである。

彼女は誰にでもプレゼントをしたがる癖があるプレゼント魔であったが、この時も「わたくし最後だから先生に何かプレゼントするの」と張り切っていた。しかしその日が近付くにつれてさて、何を贈ったものかと悩み迷う毎日が続いていた。
「男の人って何をもらったら嬉しいかしら、あなたも考えてくださらない」と考えあぐねた末、祐介に助けを求めて来た。
「そうだなーもう年配の方だし、何か趣味でもあるの?」
「私もそこまでは知らないの」
「それじゃー仕方がないなー」
「この前、従兄弟にベルトを上げたら喜んでいたけど、どうかしら」と志保の案に
「うーんそうだね、他に名案がなければだけど、ただ身につけるものは少し引っかかるなー」と祐介は首をかしげた。
「頭の中であれこれ迷っていても仕方がありませんから、とにかくM百貨店までつき合ってくださらない」という彼女のたっての願いで、一週間前の日曜日、祐介は百貨店のショッピングにつき合わされることになった。


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