次回から私の著作「おちこぼれ戦争史」を掲載致しますが、この著作は、主人公岩田哲也が克明な日記をもとに、日本が敗戦に追い込まれた激動の時代を描いたものであります。岩田哲也は虚弱で体も小さく兵役は丙種で、友人が続々と兵役に服するのを傍目に、男児として不甲斐なく、肩身の狭い思いをしながら戦火の街を生き抜いていった記録であります。
悲惨な第二次大戦後、半世紀以上も経ってもう戦争はないだろうと思っていたのに、テロという形の戦争が始まり、ついにまたまた本格的な戦争が中東で始まりました。
日本はかつて、八紘一宇(はっこういちう:世界を一つの家とすると言う意味)という大理想を掲げてアジアを平定しようとしましたが、失敗し戦いに破れてしまいました。併しこれは本来無理な話で、各民族にはそれぞれの宗教や歴史があり、習慣も考え方も異なるのは当然であり、それを一つの理想のもとに纏めようとすること自体出来ない相談でありましょう。アメリカは民主主義という理想のもとにアラブ世界を変え、自由と繁栄をもたらすための聖戦であると主張して戦争を始めましたが、中東の人々が本当にそう思っているでしょうか。世界観や宗教の異なる彼らの目には、この戦争はいらぬおせっかいと写っているかもしれません。この戦争がどのような形で終わるのかは誰にも解りませんが、あの悲惨な戦争をかいくぐって来た我々日本人はだれでも、どのような理由であれ戦争による解決はよくないと思うのではないでしょうか。
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